蛍窓談義

陋屋にて筆に花開かせんと欲する者の雑文の掃きだめと申すべきもの

貸与型奨学金の返済額を減らそう!

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修士課程の皆さん、元気にやってますか?

あるいは、こういったらいいですかね。
「進捗どうですか?」

まぁ、私も去年のこの時期はヒーヒーいいながら修論を書いていたわけで、そんなこと言われたら「あぁ?!」と機嫌が悪くなったことは必定ですが。

さて、大学院にいたときに第1種奨学金を借りていた私。
冷静に考えると返済額が8.8万円×24か月=211.2万円と大変大きな金額でした。
これを半額にした私の話をしたいと思います。

第1種奨学金とは

まずは第1種奨学金から。
FPのテキストに載っている分から転載しましょうか。

返還免除

で、今回のテーマはこちらです。
まずはJASSOのHPから。

【特に優れた業績による返還免除】
大学院において第一種奨学金の貸与を受け、在学中に特に優れた業績をあげた場合、返還の全部または一部が免除される制度です。
※ 学校からの推薦により本機構が認定します。

意外とFPの人でも知らないみたいですが (テキストにも書いてない)、大学院だとこういう仕組みがあるんですよね。

とにかく、返還免除を受けるには第1種奨学金であることが必要です。
さて次です。

在学中に特に優れた業績をあげる

これが難題ですねぇ…

そもそも何が「特に優れた業績」なのか、ということですよ。
自分の大学の時の書類をよくよく見なおしてみることにすると…

  1. 学位論文その他研究論文
  2. 大学院設置基準第16条に定める特定の課題についての研究成果
  3. 大学院設置基準第16条の2に定める試験及び審査の結果
  4. 専攻分野に関連した著書、データベースその他の著作物
  5. 発明
  6. 授業科目の成績
  7. 研究または教育に関わる補助業務の実績
  8. 専攻分野に関連した音楽、演劇、美術その他芸術の発表会における成績
  9. 専攻分野に関連したスポーツの競技会における成績
  10. 専攻分野に関連したボランティア活動その他の社会貢献活動の実績 (公益の増進に寄与した研究業績)

の10項目が評価対象項目に挙げられていました。
なお私は理系大学院卒なので、私の観点で書いていきますと、

・学位論文その他研究論文
→学会のポスター賞やら若手賞、レフェリー付き学術雑誌への投稿 (筆頭でなくてもOK)、学会発表。
・大学院設置基準第16条に定める特定の課題についての研究成果
→学位論文。
・大学院設置基準第16条の2に定める試験及び審査の結果
→博士前期課程の修了要件らしい (私は関係なかった)
・専攻分野に関連した著書、データベースその他の著作物
→レフェリーなしの主著論文or筆頭著者以外での論文
・発明
→専攻分野に関連しているor研究内容そのものであることが必要。実用新案もOK。
・授業科目の成績
→いわずもがな。
・研究または教育に関わる補助業務の実績
→うちの大学では学外での出前授業とかのこと。TAとかは含まれない!
・専攻分野に関連したボランティア活動その他の社会貢献活動の実績 (公益の増進に寄与した研究業績)
→うちの大学では特に要件定義されてなかった。ほかの学校は知らん。

実際に自分が書類を出す際に学務課の人とやり取りをしたことを思い出しながら書いていくので、上にあげたものすべては網羅できないので申し訳ないけど、とりあえず端から書いていきます。

学位論文その他研究論文

まぁ、そうよねぇ。
例えば。例えばですよ?

万一CNS (Cell, Nature, Science) に自分の研究を筆頭で載せられれば確実に「特に優れた」業績に決まってます。当り前よ。
まぁ… 英文学会誌とかに載せられれば、とか。あるいはImpact Factorが5.0以上の雑誌とかに載ればまぁほぼほぼ確実なんではないでしょうかね。
基準の緩い雑誌にたくさん掲載されて点を稼ぐ、という技法もありはしますけど、その辺も考慮に入れないと論文の粗製乱造を招くような… 閑話休題
とはいえ、こういう論文バリバリ書くような大学院生って修士課程から博士課程に行くよね…

現実的には、学会発表の数が主なところ? あとは研究成果についてLetterとかで国際誌に投稿してあれば御の字かな。
学会発表はちょっとした研究会でもなんでも放り込むべし。数を稼げる。

証拠が必要なので、ポスター発表なら原版があることを確認しておいたほうがいいでしょう。
あとは小さな研究会だとレジメもないとダメらしい。

自分が発表していなくてもいいので、共同研究者の人がいれば、その人たちからも発表時のレジメなどを回収しておいたほうがいいですね。共同研究者の人も忙しいと、あまりすぐに対応してくれないのよ。特にPDとかが一緒の研究チームで、そのPDが他所の大学だったりすると本当に大変 (私の実話)。

大学院設置基準第16条に定める特定の課題についての研究成果

この項目は残念ながら修士論文のタイトルを書いて終わり。

専攻分野に関連した著書、データベースその他の著作物

レフェリーがいない学術雑誌はすべてここ。論文や書籍は単著でなくてもOK。
なんなら、研究室の先生が書いている本の一部分を書かせてもらえるとかいう運のよい機会があれば、ぜひ書くべき。

もちろん、自分の名前を筆者に入れてもらえることを交渉するなどは必要ですが…

この点は教務に確認をしていないのだけど、自費出版もOKなのかどうかは確認するといいと思いますね。
例えば、コミケで科学系のまじめな同人誌も売られていたりするわけですし。
www.aremachi.com
こういうものが認められるのかどうかは知らないけど、もし認められるのであれば、絶対書いておくべき。というか、書け。

書いておけば、ダメなら審査会で排除するだけでしょうけど、書いてなければOKかどうかも評価できないからね…
おそらく自費出版の書籍は内容の吟味もされると思うので、別刷りとかで1冊は供出しないとNGだと思いますが。

授業科目の成績

普通に科目数とか書いておくだけ。GPAも書いておくといいと思う。

研究または教育に関わる補助業務の実績

私はやってないのでよくわかりませんが、出前授業をした先の学校とかでの業務契約とかがあれば契約書だし、そうでなければやり取りしたメールのコピーを出したりすることが必要なので、証拠の保全には務めておきましょうね!

専攻分野に関連したボランティア活動その他の社会貢献活動の実績 (公益の増進に寄与した研究業績)

これも正直微妙なところが多い…
私はそれほど大きく関わりがあったとは言えないのだけど、マーケティングのためのアンケートデータなどを回収・分析した件を社会貢献活動として挙げておきましたが。

これについても客観的な証拠が必要で、例えば地元の人たちの寄り合いで「面白そうだからやってよ」みたいなやつは、証拠がないからNGとかになる。
新聞記事とかになっていればいいんだけど… そうでなかったりすると、いろいろな人たちからサインだの受領書だのを書いてもらって集める、みたいなことが発生して、本当に時間がかかる。

ちなみに、はてブにこういうのがありまして、こちらも参考にしながら書類を作りました。
syadmi.hatenablog.com

なお、研究分野によるものと思うのですけど、工夫次第でボランティアなんていくらでも書けそうなんですけどね…
例えば… 数学系の人たちが金融工学とか暗号理論とかの社会人向けの講座を開いてみる、とか (適当な思い付き)。
電気系の人がラズパイの講師をやってみるとか。まぁいろいろありそうなので、考えてみると面白いと思います。M2のこの時期からは無理でしょうけど、M1の人たちなら就活の時に話すネタを兼ねてやってみたらいいんじゃないでしょうか。

自分が出したもの

つらつら書きましたが、私は何を出したのかっていう話です。

学位論文その他研究論文

学会発表1回、研究会発表1回、共同研究者の方による発表1回を証明する各種のコピーを提出。
私の分野は生物系で、しかもウェットな分野をやっていたこともあって年に2回の学会発表はかなり厳しい… ということで、学会発表は1回でした。
あとは共同研究をしていた人の発表も放り込みました。点数になっているのかどうかは知りませんが、わざわざ項目が立っている以上、点数にはされているんでしょうね。

それ以外に、投稿用に書いていた英論の予稿をコピーして提出しました。
予稿ということで出しているので、どこまで評価されていたのかは不明です。たぶん評価されていないんじゃないかな。
最終的にはその予稿にボスが少し手を入れて、英文校閲に回したものを投稿したわけですが (Major revisionになってしまったらしい…)

大学院設置基準第16条に定める特定の課題についての研究成果

修士論文のタイトルを書いて終わり。この項目だけはどうにもならないので、提出する修論の中身をキッチリすることに注力しました。
提出した修論に誤植はほとんどありませんでしたが、分野の前提をあまり説明せずに書いてメチャクチャ赤ペンが入れられて戻ってきた… (涙)

授業科目の成績

成績表を添付して終わりです。
皆さんほとんどS or Aだったので差がついてはいなかったと思います。もし特筆するべき事項があったとすれば、他の研究科の講義もフラフラと受けていたことでしょうか。無関係ではない生物統計とかそっち系を受けて自分の研究を進める際に流用した… というようなストーリーにして指導教官からの推薦書の原案を書いていたので、この項目で証明をする必要があったので。
実際どこまで評価されていたかは不明。

専攻分野に関連したボランティア活動その他の社会貢献活動の実績 (公益の増進に寄与した研究業績)

生物系、特に植物の研究をしていた私は、最終的に消費者の口に入るようなものを扱っていたわけです。
具体的にはイネを使って研究をしていたのですが、コメのマーケティング的な部分を道の駅で手伝わせていただきまして、その際のマーケットの分析結果を添付で出しました。
専攻分野に関連してない、というクレームがつかないように、修論の一部でその結果に触れるなどすることで、きちんと研究に関連していますよ! とさりげなく主張。
この辺も点数になっているのかは怪しいですが、なんとかねじ込んだというのが私の実感です。

このマーケット分析ですが、地元の寄り合いで面白いからやったれ、という話でスタートしたので、公益性があったのか、とか社会貢献としてカウントしていいのか、みたいなツッコミが教務課から入りまして、急遽道の駅で「やればいいじゃん」と言ってくれた方に、依頼した経緯の書付と、実際のアンケート調査の実行・分析をやってもらった書類を受領しましたよ、という書付をもらいに行くということが発生。
少し余裕を見ていましたが、こうした書類が急に必要になるともう無理… となるので、わりと早い段階で用意しておくといいと思います。

結果

学内の第1種奨学金をもらっている人たちで上位1割なら全額免除、上位3割なら半額免除で、書類を出せばおおよそ一部免除以上は堅い、と言われているので気楽に構えていました。

実際、私は半額免除でした。
まぁ、借金棒引きまではいきませんでしたので残念ではありますが。
実験で結果が出なかったり、培養細胞のような年に何度も回せる実験系を作れなかったりした私ですので致し方なかったのかなぁ。
そうはいっても、半額免除。何とか獲得はできたのでせっせと返済しながらやっていこうと思います。